

右手は編集、左手は営業
私の右手は編集部をマネージメントしています。良質なコンテンツを作ることが唯一無二の仕事。私の左手は営業部をマネージメントしています。企業として適当な利益を得て自媒体を発展させることが仕事。私は、発行人の仕事について話をするときに、このように説明しています。つねに右手と左手のバランスをとって動かすことで、はじめて媒体は成り立つのです。片腕だけを動かしてしまうと。良質なコンテンツは提供しているが営業面で失敗している場合、逆に、営業面で成功しているが読者を満足させるコンテンツが提供できない場合、どちらの場合でも媒体の発展、それどころか存続さえも困難でしょう。
しかし、私の右手と左手は同時に動かしてはいても交わることありません。それは、編集と営業を分離して考えているからです。たとえば、編集として適当ではない記事を広告主の依頼によって掲載してしまう。このようなバイアスのかかった記事に読者は鋭く反応します。そして、読者の信頼を失ってしまえば、広告主も離れていくことは間違いありません。読者からの高い評価・信頼が結果的に広告主の利益につながると固く信じています。
私の担当する Semiconductor International日本版 は、半導体産業の業界誌で、半導体の製造技術に関する情報を掲載しています。私たちの媒体の役割は、日本の半導体産業の発展をお手伝いすること。ただ一方的に情報を発信するのではなく、業界が媒体になにを求められているのかを意識して、月刊誌・オンラインによる情報発信に加えて各種セミナーを開催しています。また、業界団体をサポートすることも積極的に行っています。
私は、会社で書類処理をすることに仕事の重きを置いていません。業界からのニーズを把握するために、業界の方々と頻繁に意見を交わすために、午前中から飛び回っています。
発行人=媒体
私のキャリアは少し変わっているかもしれません。もともと30歳まで日系ホテルの海外事業部に所属し、海外のホテル開発、現地でのマネージメントを行っていました。その後、日本に戻り飲食関係のコンサルティング会社の立ち上げに参加したのですが、バブル崩壊後の不況下を泳ぎきる実力がなく撤退。それが35歳のときでした。その後、アジア地域をベースにした出版社で広告営業の職につき、キャリアアップを目指してリード・ビジネス・インフォメーションに転職してきたのです。最初の4年間は営業を担当、営業マネージャーを経て、2年前に発行人に抜擢されました。しかも、現在43歳という若さで発行人というのは、世間的にも非常に若い方だと思いますし、当社内でも発行人としては最年少になります。通常、日本の出版社では営業職から発行人というチャンスは少なく、外資系という、形にとらわれない自由な社風だからこそ、得られたポジションだと考えています。もちろん、ここまでの道のりは努力なしで語ることはできません。部下にもよく言うことですが、とにかく考えること。仕事に対して、先の先まで考えたとしても、考え過ぎということはないのです。私は、発行人と媒体はイコールで結ばれていると思っています。私の成長が媒体の成長につながると。そのため、終わることのない努力を続けています。




